Steve Harrisプレイスタイル <ライブでのプレイスタイル> ベースを低く構え、モニターに足をかけて、いつも歌いながら弾くのがスティーヴのスタイルである。 ギャロップのリズムでは自ら飛び跳ね、ステージを駆け回り、観客を煽る、もの凄く目立つベーシスト。 また、Iron maidenなどの曲の最後のフィルでは、ベースを胸の位置で掲げ、客に向けてヘッドを構えて弾くのも定番。 ギターソロではドラムの前で目立たないように弾くが、終わるとまた前に出てくる。 曲によってはマイクの前でコーラスもとるが、そんなに多くはない。 現在は歳のせいか運動量はさすがに落ちてるが、7th〜9th頃のライブの動きは特に凄い!! ライブでの衣装は、昔はストライプ柄の派手な服や好きなバンドTを着ており、 近年はメイデンのサッカーユニフォームを着て演奏している。 基本的にはそのツアーでは全く同じ衣装を何着か用意し、毎ステージ同じ格好で通している。 <ベースライン> スティーヴのベースラインは、単調なルート弾きではなくベースリフと呼べるものであり、ギターとのユニゾンも少なくない。 そのため、ベースを弾いてるだけでも、充分IRON MAIDENの曲らしく聞こえるのが特徴。 派手なリードベースだが、ビリー・シーンのような、ギターに近いことをベースでやるというタイプではなく、 あくまで楽曲の中で、ベースの役割の範囲内で派手なことを行ってるタイプである。 中期あたりまでは個性的なフィル、短いソロと呼べるものも結構あったが、 トリプルギター編成になってからは、ベースラインは顕著にシンプルになっており、意図的にベースの高音部も抑えられてる。 他のバンドと同じく、バンドが円熟の域になると、シンプルになっていくようだ。 しかしミックスの改善により、14thからは以前のような高音部を強調したスタイルに戻ったという。 <ピッキング> 極端な前ノリであるが、アタック感が強く、パワーがあり、ドライブする感覚があるベースである。 「ベーシストのための全知識」(著・子安フミ/リットーミュージック刊)においても、 ロック的アプローチの手本としてイラスト入りで紹介されている。 スティーヴによると、「ピアノの音に近いようなカチッとしたサウンドで、決して低音域の重量感に頼らない、極めてタイトなもの」 というサウンドを目指しているようだ。 ピック弾きのようなゴリゴリしたパワフルなサウンドであるが、2フィンガーの指弾きである。 2フィンガーは人差し指、中指で行うが、痛くなってきたときは違う指でも弾くこともある。 ステージで汗をかくのと指がふやけて柔らかくなってきたら、最後の方では、薬指も代わりに使うらしい。 また、ツアーの最初には血豆ができるが、1〜2週間するとそれが固くなり、そのためサウンドにパワーが増すらしい(!) ライブ前には手にグリスを塗っているらしい。指の摩擦が減り、ピッキングが速くなるためだそうだ。 昔のスコアの解説を見ると、ピック弾きと勘違いしてる記事がたくさんあったほど、力強い音である。 また、ライブ映像を見ると、中指で弾くときに薬指も同時につられて動いてるようで、 3フィンガーと勘違いしてる人も多かったが、インタビューで本人がはっきり否定している。 なぜ指弾きなのかは、「昔からそうしていたので」という理由だそうだ。 ピッキング位置はピックアップの上、またはややブリッジ寄りのところ。 このとき右手首はベースのエッジ部に乗せている感じだろうか? それでもがっちり固定というよりは、ベースそのものの位置を、 自分が腕を伸ばしてしっくりくる低い位置にしているようで、コード弾きなどにも速やかに移っている。 ネックは握り込む形になってることが多い。 また、ピックアップや弦に親指を固定せず、軽く触れることでミュートすることで、素早い弦移動を行っている。 <バキバキ音> さらにスティーヴのベースサウンドはの特徴は、低音とともに、パーカッシヴなバキバキという音がすることである。 低音はどちらかというと、丸みのあるウォームなトーンである(フラット・ワウンド弦のためか?) もうひとつのバキバキいう音は、いわゆるピッキングノイズだが、それすらも個性として成立させるところにスティーヴの凄みがある。 このバキバキ音が好きで、この音を出そうとしているファンのベーシストは多いと思う。 この音を出すコツとしては 指を伸ばし、上から弦を叩くように素早く弾く。そのとき指の爪を少しだけ伸ばしておくそうだ。 もちろん、充分に指の皮を固めにしておく。 さらにEQで500Hzだけレベルを下げ、その他のツマミは全開にしておくセッティング。 フラットワウンド弦・アンプなどの機材に関してはここより以下の内容を参照。 (しかし、やはりあの音は究極的にはスティーヴ・ハリスにしか出せない音だ、と痛感します。当たり前ですが。) <弾き方のその他の特徴> ・コード弾き パワーコードを押さえ、爪を当ててギターのように掻き鳴らす方法もやっている。 コード弾きのときはネックを握ることもある。10thの頃から、それまでより多用するようになった。 そのせいで、それまでのハイポジションを使ったフィルが少なくなったという指摘あり。 小節のアタマなど1回だけ鳴らすときは、ピックアップよりほんの少しだけネックよりの位置で振り切り、 1小節全部など、連続したコード弾きは、ネックの20fあたりのところで弾いてる。 おそらく勢いでそうなってるだけだろうと思われる。 ・アルペジオ Fear of the darkやThe Clansmanなど、最初が静かなパートで始まる曲では必ずといっていいほど、 親指・人差し指・中指の3本で、やわらかいタッチでアルペジオを弾いている。 このときだけ、ある意味で3フィンガーである。 ・ギャロップ(タッタカ、タッタカという馬が駆けるようなリズム)はスティーヴの特徴といってもいいだろう。 (この場合の指の割当ては判別不能でした。人中人、中人中の2パターンを交互にするのがやりやすいかと思います。) ・ハイポジションでのフィルはほぼ手クセであるが、タイムリーでスリリングである。 ベースソロは好きじゃないと言っているが、短くはあるがソロに匹敵するような派手なプレイも出てくる。 あくまで「曲にあわせて弾いたら、結果そうなった」ものであるらしい。 ・全曲ノーマル・チューニングで、Eなら4弦開放より、3弦7fを中心に使う。 全般的にベースの最低音中心ではなく、その1オクターブ上の高音を中心に演奏する。 ・チョッパーは好きじゃないらしい・・・。 戻る
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