Steve Harris使用機材
<Steveが所有するベース>
基本的にエンドースはしたくないらしい。
ライブではベースを持ち替えず、基本的に1本で通すが、弦が死んできてトップ・エンドが出なくなると予備のものと交換する。
ブリッジをBADASS BASS Uに交換したFender Precision Bassを使い、予備のものも全てこの仕様になっている。
指板はローズウッドよりメイプルが好きらしい。
スティーヴのトレードマークといえば、やはりFender Precision Bass!
9thの時点で5本のFender Precision Bassがあり、曲によって使い分けたらしい。
しかし、基本的にはレコーディングもいつものしか使わない傾向にある。
ストラップは縞模様の太いものを使用。カヴァーの色は赤や青の縞のものがある。
このストラップの袖みたいなカヴァーには、昔はレッグウォーマーなどを流用していたが、廃れて以後は手に入らなくなり、
現在はベース・テクのマイケル・ケニー(Michael Kenney)の母親の手作りとなっている。
通常の太さのストラップがクッションになるもので覆ってあり、強化素材でちぎれたりもしないそうだ。
また、貼ってあるテープを覆って、スティーヴの長髪がくっ付かないようにも工夫されている。
※以下のベース名の隣の( )内はボディの色です。
【Fender Precision Bass】
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Fender Precision Bass '71年製(69年製説もあり)(白→黒→青→白+紋章+三本ライン)
メインで1番よく使用しているベースで、スティーヴいわく「これだけは特別な音が出る」らしい。
メイプル・ワンピース・ネック、ナロー・グリップ(ジャズベと同じでナット幅の狭いネック)、
ミラーのピックガード、というのがおそらく全時代を通しての標準仕様。
ボディが黒のときまでは、ブリッジは標準だったが、4thの頃よりBADASS BASS Uになっている。
ピックアップはSeymour DuncanのSPB-3 quarter-pound。現在はCustom Shop SPB-1という情報もあり。
ナットは白い牛骨のときと、黒のカーボンのときがある。
1stリリース当時から既に使用しており、何度もボディの色を塗りなおしている。
2ndまでは黒、3rdから8thまでが青、9th以降が白となっている。
上記の最初の色、白の前にブラウンだったという情報もあるが、詳細不明。
現在の白にペイントされてるのは、ウエストハム・ユナイテッドの紋章。
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Fender Precision Bass '82年製(青のモザイク模様)
ライブの予備用。X-factor tour時に少なくともライブで使用しており、上記のお気に入りのプレベ以外では使用頻度が特に高いようだ。
もとのボディの色はレッド・スパークルだったらしい。
ブリッジはBADASS BASS U。メイプル・ネック。ナットは白。また、他と比べて重い。
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Fender Precision Bass '59年製(白黒の市松模様)
もとはピンク色だったらしい。白黒のチェック柄が派手。ペグをブラックに交換している。
ペグがブラックではなく、標準のものの写真もある。時々ライブで使用している。
ブリッジはBADASS BASS U。ローズウッド・ネック。ナットは白。
Wildest dreamでTV出演時、市松模様でメイプル・ネックのものを使っていた。
このモデルのネックを交換したのか、全く別の個体かは不明。
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Fender Precision Bass メインのコピーモデル(赤)
ライブの予備用。メインのFender Precision Bassがメタリック・ブルーの頃、これを正確にコピーしたものだが、
音までは同じにならなく、ボトムが足りないので、使用するときはローディにブーストしてもらっていたらしい。
もちろん、ブリッジはBADASS BASS U、メイプル・ワンピース・ネック。ナットは白。
14thの日本公演では、いつものメインのFender Precision Bassを全く使っておらず、使用していたのはこのモデルと思われる。
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Fender Precision Bass シグネイチャーモデル(薄青)
new!
Fender Japan製で2001年に発売されており、日本でもわりと手に入りやすい。
ボディの色はウエストハム・ユナイテッドのチームカラーで、材質はBasswoodである。
ピックアップはSeymour DuncanのSPB-3 quarter-pound、ワインレッドのミラー・ピックガード。
ヘッドにはスティーヴのサインとエディ、メイデンのロゴがプリントされている。
ナロー・グリップでない点やボディの色合いなど、スティーヴが長年愛用しているものとは違う点がいくつもある。
NO PRAYER FOR THE DYINGの頃のインタビューで「シグネイチャーベースを出す話がある」と語っており、
海外でも1996年に上記と全く同じ仕様
(注・だと思われる)で、Fenderから発売されたらしい。
だがこちらは現在は見つけるのも困難な状況。
Fender Japan製かどうかは不明だが、スティーヴ本人もこのシグネイチャーモデルをライブの予備用としている。
14thのツアーで、実際のライブにおいて使用していた。
【その他のFender Precision Bass】
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モデルその1(白)
82年Sounds誌の表紙を飾った写真のメイプル・ネック、ミラー・ピックガード。
ブリッジは標準のものだが、メインのモデルが最初の白のときのものである可能性あり。
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モデルその2(白)
デニス・ストラットン(Dennis Stratton)と写ってる写真の、ローズウッド・ネック、ミラーのピックガード。
もしかしたら、後の市松模様のものである可能性あり。
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モデルその3(赤)
Rock Bass2号の1ページ目に載ってる、メイプル・ネック、ベージュのピックガード。
87年に出た57年製の再生産モデルのようだが、単に宣伝で持ってるだけかも。
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モデルその4(青)
BASS MAGAZINE 93年1月号掲載のローズウッド・ネック、白のピックガード。結構傷あり。ブリッジは標準のもの。
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モデルその5(黒)
娘のLauren Harrisのライブに参加してる時に使用した、メイプル・ネック、ベージュのピックガード。
ヘッドの焼け具合から、かなり昔のモデルかと思われる。コントロール・ノブが3つあるのも特徴。
【アコースティック・ベース】
これらのアコースティック・ベースには、ラウンド・ワウンド弦が張られているのが特徴。
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APPLAUSE(木目と黒のグラデーション)
曲作り用。OvationのModel CC074と同じ形のもの。
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Ovation Model B778(赤)
レコーディング用。ライブではスタジオ程、良い音が出ないらしい。
ボリュームをあげるとすぐフィードバックし、この楽器のもつ奥行きが充分に出せないとのこと。
しかし、ライブで使用している写真も見たことがあり、以前は使用していたようだ。
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GUILD(黒)
Brave New World tourのClansmanやDance of Death tourのJourneymanで使用。
ハウリングを考慮してか、fホールは塞がれている。
現在のライブにおける、メインのアコースティックベース。
【Ladoの4本】
84〜86年頃の一時期、取引もしていたカナダの会社のベースたち。ボディは全て青。
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モデルその1
Aces HighのPVで使用してたモデル(ボディはサンダーバードに近い型)
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モデルその2
84年頃ライブで使用していたワシ?のイラスト入り(ボディは・・・なんと表現すべきか)
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モデルその3
サムホェアツアーの日本公演で使用した22f仕様で、ワシ?のイラスト入り(ボディはプレベに近い型でコンター加工もあり)
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モデルその4
Unicorn Steve Harris (シグネイチャーモデル)。Ladoで買えるみたいです。
【その他、ほとんど使われてないもの】
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Ibanez RS824BK(黒)
Run to the hillsやThe trooperのPVで使用していたベース。正確にこのモデルかはわからないが、
THE BEAST OF THE ROADのジャパンツアーのパンフレットにこの広告が載っていたことから、おそらくこれだろうと思われる。
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Washburn(黒に赤いふち)
88年頃より所有しているが、練習時に使用するだけらしい。BASS MAGAZINE 99年8月号にこれを持ってる写真が掲載されたが、
その後のBASS MAGAZINE 00年7月号のインタビューでは、この写真を思い出せないぐらい、印象にない1本(笑)
ED Hunter時のインタビューでは、これを持っている写真がよく使われた。
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Danelectro
詳細不明
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Rolandのシンセベース
ピアノ・ベースっぽい音なので、9thのAfraid to shoot strangersのイントロで使用。
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Fender(?) Jazz Bass(白)
new!
11thリリースに際して、スペインのTVに出演したときに使用している。(
Youtubeの動画)
スティーヴがJazz Bassを弾いているのはかなり珍しいが、ただ単に現地で機材を調達して弾いていただけなのかもしれない。
・
シャールス・フリー
Fender Telecasterのコピーモデル。日本製らしい。40ポンドで買った、スティーヴが初めて手にしたベース。
<弦>
HR/HM系のベーシストにしては珍しく、ロトサウンドのフラット・ワウンド弦
RS77'Jazz Bass'を
愛用していることで有名(1stの時から既に使用している)。
近年、ロトサウンドよりスティーヴのシグネイチャー弦
SH77'Steve Harris'が出ており、本人もこれを使用。
材質がニッケルからモネルに変更されていて、ゲージも少し太くなってる(50 75 95 110)。
ヘッド側の毛の色が青になっているが、これはスティーヴの好きなウエストハムの色にちなんでいる。
そして前述のとおり、アコースティック・ベースにはロト・サウンドのラウンド・ワウンド弦
RS44'Bronze Bass' を使用している。
また、スティーヴはライブ毎に新品の弦に交換している。ベース・テクのマイケル・ケニーがライブ前に張り替えているのだが、
彼は張り替えるときに切れやすい弦かどうかがわかるらしいので、ライブ中に弦が切れたことはないそうだ。
弦はきつめに張られている。
【フラット・ワウンドにした理由】
(BASS MAGAZINE 91年7月号より)
・スローな曲をやるとき、ラウンド弦ではピッキングのときにすべるので、それがイヤで変えた。
・トップ・エンドがよく出るし、スムーズで、レコーディング向きとの評価
・フレットを(ロトサウンド社の他の弦と比べて)あまり擦り減らさないし、指も痛みにくい。
しかし、他のインタビューでは
(BASS MAGAZINE 04年4月号より)
・ラウンド・ワウンドではピッキング・ノイズや、バチバチいう音とかがうるさくて変えた。
とも言ってるので、明確に1つの理由があるわけではなさそうである。
<アンプ類>
【昔(87年以前?)】
・サン・コロシアム・アンプ
・アコースティックの301
・アンペグ
などを試したことがあるらしい。
その後、スティーヴが行き着いたアンプは
HIWATTのNAE-108というソリッド・ステート・アンプ(100W)だが、生産台数が少なく、スティーヴ自身も2台しか所有してない。
HIWATTに再生産を頼んだらしいが、売れる見込みがなく、断られたようだ。
そこで、昔アンプを作っていた友人に頼んで、同じ音が出るものを作ってもらったらしい。
それが現在も使っている
「ALECTRON」というHIWATTのレプリカだと思われる。
このALECTRON、EQで500Hzだけカットし、他は全てブーストするというセッティングになっている。
BASS MAGAZINE'04年4月号で、「インタビューではHIWATTを使っていると答えているが、この日はALECTRONを使っていた」という旨が
書かれているが、スティーヴにしてみれば、同じものという認識で答えたと思われる。
機材類は、ときどき新しいものを試すが、基本的には同じものをずっと使用している。
下記のラック・システムを見ても、細かい変更はあるが、基本的な部分は変わっていない。
自身のサウンドを出すに不可欠なものは「ALECTRONのプリアンプとElectro-Voiceのスピーカー」であると発言している。
【83年の機材ーBEAST OVER HAMMERSMITHよりそのまま掲載】
2 Fender Precision Basses
Rotosound "Jazz bass"long scale strings
Ibanez bass guiter
Nady wireless guiter receiver
DBX 16 compressor
2 Hiwatt pre amplifiers
6 RSD power amps
6 Marshall 4*12"cabinets
4 RCF 2 JBL speakers
Korg guiter tuner
2 Alembic custom 2*15"JBL front loaded bass units
2 Alectron pre amplifiers
Furman cross over
※以下のラック・システムの上から下への掲載順は、実際の搭載順と一致してます。
【87年Somewhere on tour時のラック・システム】
ALECTRON(HIWATTのレプリカ、ソノゴ・アンプ) | ×2 |
dbx160 | ×2 |
CARVER PM-15(パワーアンプ) | ×2 |
【91年No prayer on the road tour時のラック・システム】
Raycom・DIbox | ×2 |
Sony WIRELESS TUNER | ×2 |
Peter Cornish custom switching system | ×2 |
ALECTRON PREAMP | ×4 |
dbx160 COMPRESSOR | ×3 |
CARVER PM-15 POWER AMP | ×5 |
(注・ラック2台分です)
基本的に87年と同じだが、ラックの数が2個になり、それぞれの数が増えている。
プリアンプは同じものが4台あり、そのうち2個がバランスジャックを付けるために、
パネルが取り替えられ、色が黒→シルバーになっている。
また、この時期はラック・システムだけでなく、HIWATTのヘッド、Lead50が2台、Lead100が2台の計4台の使用も確認できる。
(他の時期にも使ってるかもしれません)
【04年Dance of Death tour時のラック・システム】
SHURE UHF | ×4? |
APHEX SYSTEMS AURAL EXCITER TYPE C | ×1 |
PETE CORNISH 4 CHANNEL BASS ROUNTING UNIT | ×1 |
ALECTRON PREAMP | ×1 |
dbx160 COMPRESSOR | ×2 |
C-AUDIO SR707 POWER AMP | ×2 |
【その他、使用したもの】
・オデッセイ
8thのレコーディング時に使用。
・Trace Elliot GP12X pre-amps
・Carvinのスレイブ・アンプ
11thのレコーディング時に使用。Carvinについては「ずっと使っている」らしいが、よくわからない。
4 Sony WRT 27 wireless transmitters
2 Raycom/Sony WRR 37 receivers
3 Korg WT-12 tuners
2 C-1 audio FR707 amplifiers
Spares: Electronic preamps, Carver PM 1-5 and PM1200 power amps
という情報も見つけました。いつの時期か完全には確定しないので、ここに表記しておきます。
<エフェクター>
dbx160というコンプレッサーのみで、好みの音に近づけるというより、
音の粒をそろえるため、アッタク音を抑えるために少し使うだけで、基本的にレベルの役目として使用。
<スピーカー>
87年以前には、12インチのホール・ユニットとかも使ったことがある。昔はデカイのをたくさん並べたりしてたが、
何にもならないと思い、それ以降は
Electro-Voice製のEVM-12Lに落ち着いている。
モニタースピーカーは2個あり、スネアとキック、タム、自分のボーカルなどを聴いている。
ギターが鳴っておらずドラムと自分の演奏だけを聴くことができる、自分のためのゾーンが欲しかったらしい。
<キャビネット>
12インチ・スピーカー4発搭載の
Marshallを8台使用。
マイクは普通のスタンドを使わず、専用のものをキャビネットに取り付けている。
キャビの前にはフットスイッチがあり、チューニング時に外に音を出さないようになっている。
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